ぼんにゃん日記

ぼんやりタイムに考えたことを綴るサブブログ

猫だってストレス社会を生きている

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本屋さんに行くと、「猫のように自分に正直に生きよう!」とか、「猫のように自由気ままに人生のんびりしよう」みたいなタイトルの本をよく見かける。

 

職業柄か、そういうのを見るたびになんだかモヤモヤする。

 

猫さんたちのストレス性疾患って意外と多いのだ。

 

・新しい仔猫をお迎えしてから、お腹を下しっぱなしの子

 

・家のリフォーム工事で大きな音がするようになってから、血尿が出る子

 

・来客があったことでイライラして自分の体を舐めまくってハゲたり傷になったりする子

 

原因がストレスの場合だと、いくら検査しても異常は見つからず、環境が落ち着くまでは症状も治りにくかったりするので、わりと獣医師泣かせである。

 

生活環境の改善等についてアドバイスをしながら、この子たちも色んな事情を抱えて大変なのだなぁとつくづく思う。

 

また、猫には人の顔色など伺わず、一人でも好きに生きているイメージがあるが、それもどうなんだろうと思っている。

 

うちの職場の看板猫は、かなりのかまってちゃんでヤキモチ妬き。

 

仕事が忙しくてあまり構えないと、はじめはジト目でこちらを見つめている。

 

そしておもむろに用を足しに行き、トイレごとひっくり返して猫砂をぶちまける。

 

目が合うと、「私をないがしろにするお前が悪い」とばかりに鳴き叫ぶ。

 

生きるか死ぬかの重症例を徹夜で診ているときなどにこれをやられると、心が折れそうになる。

 

動物病院の看板猫がスタッフを消耗させるとは何事だと言いたくなるのをぐっと堪え、

「うんうん、寂しくさせてごめんね。

あの子とは、仕事上の付き合いだけで、ホントに何もないから。君が一番だよ。」

などと言いながら、抱きしめてなでなでする。

 

めんどくさい彼女かよ。

でも可愛いからゆるす。

 

彼女のほうは、私にひしと抱きついたまま、「なんであの子の所ばっか行くのよ。私のことなんてどうでもいいのね。」

と言わんばかりにニャゴニャゴ言ってる。

 

これをきちんと聞かずにちょっとでも雑に扱おうものなら、噛まれて流血沙汰になる。

 

愛が重い。

人間だったら結構なヤンデレだぞお前。

 

ちなみにこの一連の動きをやるのは私に対してだけ。

他の人には問答無用の猫パンチか猫かぶったスリスリのみ。

クレーム処理係としてなのか、本音をさらけ出せる相手として認めているのか分からないが、人を見て選んでいるのは確か。

 

非常にめんどくさい。

でも可愛いからゆるす。

 

結局人も動物も、「○○だから、▲▲だ。」と思い込んでいると、大事なものを見落としたり、痛い目に遭ったりするんだろう。

 

愛とは、相手そのものを丸ごと受け止めることなのかもしれない。

 

穴が開いて微妙に仕事がやりづらくなった利き手を眺めながら、そんなことをぼんやり思った。