ぼんにゃん日記

ぼんやりタイムに考えたことを綴るサブブログ

自分らしく生きる力=(好きなことで+ラクに+楽しく)生きる力

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動物病院で働いていると、よく「好きなことを仕事にしていて良いですね。」と言われる。

 

 

夏休みなんかで子ども連れで来院される方からは、「この子、将来は獣医さんor動物看護師になりたいんです〜」なんて言われることもしばしば。

 

そんなとき、口ではにこやかに「そうなんですか〜、頑張ってね。」と答えてはいるが、内心ではほぼ全員が「やめた方がいいよ。」と思っている。

 

もちろん、全員が「好きで」この仕事を選んで続けている。

一旦他の大学や企業に勤めたものの、やっぱり諦められなくて大学や専門学校に入り直してくる人も珍しくない。

 

私も含め多くの人が、学力面や金銭面で苦労したり、周囲の反対を押し切ったりして、並々ならぬ努力の末に、決して良いとは言えない労働環境のなかで働いている。

 

だからこそ、「好きなことで生きる」ということが、決してラクでも楽しいことでもなく、周りが期待するほどキラキラした生き方でもないことを、それはもう痛いほど知っているのだ。

 

「自分らしく生きる」ことを考えたときに、「好きなことで生きる」ことと、「ラクに生きること」と、「楽しく生きる」ことは、分けて考えたほうが良いと思う。

 

「好きなことで生きる」こと。

これさえあればハッピー!みたいな風潮があるけれど、そんなに簡単に実現できるものじゃない。

 

怒鳴ったり嫌味を言う先輩もおらず、業界内では比較的ホワイトなうちの職場。

資格不問のスタッフの求人をハローワークに出せば、動物好きな人達からの募集がめちゃくちゃ来る。

 

でも、いざ採用してみると、8割近くの人が1週間以内に辞めていく。

 

研修中は8時間労働厳守、夜勤も残業もさせないし、休憩もしっかり取り、指導係が最大限の注意を払いながら、無理せず少しずつ仕事を教えているにも関わらず。

 

辞めていった人たちが弱いとか甘いとかいう話ではない。

 

閉鎖的な空間の中での立ち仕事、手術や救命措置、人間の怒りや悲しみやエゴを目の当たりにすることなんかは、知識や体力や人格で乗り切れることではない。

いくら「好き」でもどうにもならないことだってたくさんあるのだ。

 

「好きなことで生きる」というのは、それでもやらずにはいられないという変態的な執念と覚悟があって初めて切り開かれるもの。

 

だからこそ、昔、mixiで獣医学科志望の浪人生にアドバイスしていたように、覚悟して行動を起こした人には、自分なりに応援したいと思う。

 

 

次に、「ラクに生きる」こと。

 

どうすれば、心身や経済面で負担をかけずに生きられるか。

 

私にとっては安い家賃の部屋に住んだり自炊したりする節約や、断捨離や私服の制服化といったミニマリズムだったけど。

 

人によっては、仕事を辞めたり転職したりしてコスパの良い労働環境を整えることだったり、最新家電で家事の効率化をはかることだったり、方法はたくさんある。

 

おばあちゃんの知恵袋的な本や主婦向け雑誌を読み込まなくても、ネットでいろんな情報やブログが公開されている今は、自分にあった「ラクに生きる」方法がすごく見つけやすくなったと思う。

 

 

そして、「楽しく生きる」こと。

 

趣味を充実させることだったり、仕事中や何気ない瞬間に小さな幸せを見つけることだったり。

 

私はブログや一人旅、読書やダイビングやジムといった趣味に没頭しているときも楽しいし、仕事中に動物と接しているときも、美味しいごはんを食べているときも、好きな人たちと過ごしているときも、すごく楽しい。

 

「楽しく生きる」ためには、無駄なことで消耗する時間を減らし、色んな方向にアンテナを立てて面白がれる余裕を持つことが大事かなと思う。

 

いま、自分らしく生きようとしつつもどこか生きづらさを抱えている人は、「好きなことで」「ラクに」「楽しく」生きる方法のどれが足りないのかを考えてみて欲しい。

 

そして、得ようとしている情報がこの3つのどれかなのか、それが本当に自分が求めているものと一致しているのか、確かめて欲しい。

 

「好きなことで生きる」方法を選ぶことで、嫌いなことをやっていたときよりも「ラクに」「楽しく」生きることもあるし、「ラクに生きる」方法によって「好きなことを」「楽しく」やれる生き方もある。

 

ただ、自分にはどの方法があっているのかを考えて選んでいかないと、いつまでも「自分らしく生きる」という消費コンテンツに振り回されて消耗するだけ。

 

ブログ内外問わず、私なりに「好きなことで」「ラクに」「楽しく」生きる方法を伝えることで、関わる人たちに少しでも「自分らしく生きる」方法の選択肢を増やせたら、と思う。