「あなたのため」の自己満足
アドバイスの価値は3つの要素で決まると思う。
・内容の整合性
・話し手への信頼度
・受け手の心の余裕
つまり誰かに何かを助言しようと思うとき、
・内容に矛盾がないか
・自分がその人にとって信頼に足る人物であるか
・相手がこちらの言うことに耳を傾けられる状態であるか
を気にしておかなければならない。
新人時代の頃は、いくら正しいことを言っても、「若い」「なんか頼りなさそう」という理由で聞き入れてもらえないことがたくさんあった。
早い話がなめられていたのである。
知識や技術が負けていた訳ではないのにと、悔しかった。
色々研究して、自信ありげに振る舞う方法、相手と一定の距離を置いてあまり合わせすぎない方法、スルースキルなどを身につけていった。
その結果、良い意味での近寄りがたさというか、「先生」感は出すことができた。
しかし、本当にそれで良いのだろうか。
張りぼての「先生」の威光をふりかざして上から目線で専門的知識を披露することが、私の本当にやりたかったこと?
結局、相手のことを見ようとしないで語る「あなたのため」など、ただの迷惑な自己満足にしか過ぎない。
相手の状態を見て、こちらの出かたを考えていく。
それは媚びへつらうことでも、嫌われることが怖くてぶつかるのを避けることでもない。
最も効果的に、お互いの力を最大限に引き出すための方法である。
本当に「あなたのため」を想うのであれば、自分の主張を通すことばかりに目を向けず、まずは相手の声に耳を傾けることを忘れないようにしたい。