「誰にでもできる仕事」
いわゆる単純作業と呼ばれるものが大の苦手だ。
カレンダーの中におまけのシールを入れていく仕事。
ブラインドを一枚一枚丁寧に磨いていく仕事。
紙に書かれていることをそのまま書き写す仕事。
どれもやっているうちに気が狂いそうになってくる。
私のあまりの豹変っぷりに、見かねた周囲から「にゃんすにはそういう事務的作業はさせるな」というお達しが出たくらいだ。
私にとっては、こんなつまらない作業は極力しないで済む方法を考えるか、しなければいけないときは出来るだけ短時間で効率良く終わらせたいと思っていたし、当然周りもそのはずだと思っていた。
しかし、実際には違っていた。
ある作業をしていた同僚に、大変そうだから手伝うか、もっと効率的な方法を考えようと声をかけたところ、「こういう細々した作業は夢中になれて楽しいから、もっとやっていたい」と言われたのだ。
私にとっては発狂しそうなほど苦手なことが、彼女にとっては夢中になるほど楽しいらしい。
逆に、彼女からすると私が熱心に本を読んだり勉強したりすることが、不思議で仕方がないらしい。
単純な作業を延々と繰り返すこと。
趣味や仕事に関する読書や勉強を続けること。
どちらも、得意な者にとっては「このくらい当然」「誰にでもできること」。
だけど、苦手な人にとっては本当に尊敬に値する、とってもすごいこと。
苦手なことをやって辛くなるくらいなら、楽に出来る人に感謝と尊敬をもってお任せして、自分の中の当然を探して磨いていくほうが良いのかもしれない。