受け入れるのではなく、受け止める
昨年の10月ごろから、傾聴の勉強を細々と続けている。
人としてもっと多様な価値観を認められるようになりたい。
獣医師としてもっと飼い主さんの心に寄り添う診療がしたい。
そう思ったからだ。
はじめは、ただ相手に同意して、うんうん頷いていればいいのかと思ってやってみた。
結構しんどい。
自分と言うものが完全に閉じ込められているような気がして窮屈だった。
しかし、本を何冊か読んでみて、その考えは間違っていたことに気付いた。
・話し手と自分の感情はきっちり分けて聴く。
・自分が辛くない聴き方を心がける。
・周囲に助けを求めたり、時間や場所などをきちんと区切りをつける。
お互いを守るためには非常に大切なこと。
以前は、「認める=受け容れる」ことだと思っていた。
きちんと全てを納得して、自分の中に取り入れなければならないのだと。
それができないのは、自分の心が狭いせいだと思い込んでいた。
全て受け入れる必要などない。
自分の考えは自分のものとして大切に扱って良いのだ。
受け入れなくとも、受け止めることはできる。
受けて、止めて、そこから何ができるのかを考える。
ただ話を聴くだけの方が良いのか。
知識を用いて情報を与えるのか。
自らの考えを伝えるのか。
その結果、やっぱり何もできないのかもしれない。
でも、話し手も聴き手も辛くなるだけで終わることは減るだろう。
人として、プロとして、関わってくれる人たちと自分自身が少しでも心安く生きられるよう、「受け止める」ことができるような人間になりたい。
- 作者: 大津秀一
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2013/07/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る