婚活イベントに参加しようとしたら全力で足止めにあった話
メルカリ婚活というものを思いついた。
メルカリの売上げ金で婚活に必要なものを揃え、各種イベントに参加していくというものだ。
断捨離の話ではよく「手放すと入ってくる」と言われる。
嫁に出すような気分で手放したモノたちの力を借りて、今度は自分が嫁に行く準備をする。
なんか面白そうじゃないか。
地域・日時・内容・参加費などを吟味し、手頃な婚活イベントに狙いをつけた。
自分の数少ない売上げ金でも手が届きそうなドレスをチェックした。
どういうアピールをしようかと戦略も練った。
あとは週末を待つだけ…のはずだった。
次の日から突然ふくらはぎがピリピリと痛むようになった。
その翌日には愛車のタイヤがパンクした。
売上げが確定したと同時に、チェックしていたドレスは売り切れた。
これだけ足止めをくらうような事態が続くと、何かに「ちょっと待て」と言われているような気がした。
改めて自分の本音と向き合ってみる。
結婚自体は、面白そうと思ったら明日でも30年後でも良いし、別にしなくても良い。
どちらの人生でも全力で楽しむまでだ。
とりあえずで買う無難なドレスよりは、お出かけがもっと楽しくなるようなものが良い。
趣味や職業を偽って、接待モードでひたすら相手の話を聞きほめちぎる戦略で作る関係なんて、貴重なお金と時間をかけてまで本当にやりたいことなのか?
全てをキャンセルして、メルカリ婚活企画は一旦手放すことにした。
そう決めたら、足の痛みはなくなった。
パンクの修理代は、予想の半額以下で済んだ。
メルカリで一番高値をつけていた出品物が購入された。
自分好みの靴やバッグ、アクセサリーを無償で頂ける機会に恵まれた。
まさに、「手放すと入ってくる」とはこういうことかと思った。
今回はドレスの代わりに、パーカーとスニーカーを買うことにしよう。
自分が一番楽でいられる格好で、たくさんお出かけしよう。
自分が心地良いと思える場所で、アホなこともたくさんやろう。
面白そうな人たちに会いに行って、どうでも良いことをたくさんおしゃべりしよう。
一番大好きな春がもうすぐやってくる。